エッセイスト松浦弥太郎さんに聞く、ていねいな暮らし、ていねいな生き方。
今日から始められる素敵なコツがたくさんあります。
“草花木果とおしゃべり”のトップバッターは、エッセイスト松浦弥太郎さん。「くらしのきほん」主宰として、いつも著書や講演、WEBコンテンツを通じわたしたちに大切なことを思い出させてくださいます。実はキナリ社長の乗松は、草花木果ブランド担当になってすぐの頃に松浦さんの著書を読み返し、編集担当の八木は、講演会でサインをいただいたことがあり…。私たち草花木果メンバーは、松浦さんにひそかなラブレターを送り続けていたのかもしれません。天王洲にある草花木果のオフィスに、松浦さんが静かに登場。さて、初のおしゃべり、スタートです。
ていねいとは、感謝から始まります。
草花木果:今日はありがとうございます。お会いできて本当に嬉しいです。たくさんお話ししたいことがあるのですが、まず、草花木果でものづくりや、お手入れについて考える時のキーワードである「ていねい」について、どうしたら、ていねいに暮らせるのか。そしてていねいな生き方とは何か、など教えていただけますか?
松浦さん(以降、敬称略):今日はお話しする機会をいただきありがとうございます。
「ていねい」に生きていくためには、僕は「感謝」が基本にあると思っています。大人になって日々生きていればいろいろなことが起こるけれど、そのすべてに感謝をする。うまくいかないことにも、いやなことにも、感謝をしてそこから学ばせていただくという姿勢です。すべてが自分の学びだととらえることが、ていねいに生きるということにつながるのではないでしょうか。
昨日と今日で変わるのは、成長の証です。
松浦:そして、今を生きる自分にとって「ていねい」がどういうことか、ずっと考えていくことも大事ですね。常に考えて、常に向き合うんです。前向きに考え続けて、自分のこころやからだを成長させていく。
草花木果:なるほど、それだと、たとえば昨日と今日で考えなどが変わってしまうこともあると思うんですが、いいのでしょうか?
松浦:もちろん! 僕たちは自然と一緒で、日々どんどん変わっていくし、変わるべきだと思います。生きているということは、止まっていられないし止まるのは不自然とも言える。自分の殻を破ってどんどん成長していくべきで、変化を受け入れるべきだと思います。昨日と今日で違うのは当然で、成長の証そのものです!
草花木果:そうなんですね。じゃあ、会議で「あの人は、昨日と言っていることが違う…」とカリカリ、イライラしてはいけなかったんですね(笑)。 こうやってお話を聞いてすぐや、たとえば松浦さんの本を読んだ直後は、いろいろと気をつけて暮らせるんですが、なかなかちゃんと続かなくて。ていねいに、感謝の気持ちを持って変化し続けるにはどうしたらいいでしょうか? 意識し続けるコツはありますか?
松浦:それは、「今日はすべて未来につながる」という意識を持つといいのではないでしょうか。今に集中しながら未来を考えるんです。たとえば今日食べたものが未来の健康を左右すると考える。今日のスキンケアが未来の肌につながるというのも分かりやすいかな。 もしも人間関係、健康面、仕事などで何かよくないことが起きたとしましょう。実はそれは、少し前に自分のしてきたことの結果と言えます。今という時間が未来につながっていると思えば、いろいろなことが続けられるし、乗り越えられるのではないかな。
草花木果:確かに、今の積み重ねが、結局未来ですね。
「書く」というアウトプットを始めてみたら?
松浦:あとね、いろいろ自分で考えたことや思ったこと、その日にあった出来事などは、言語化することを癖にしたらいいと思います。人に話してもいいし、書いてもいい。日記でもSNSでもいいですが、人に読んでもらうため、ではなく自分のために書くことが大事です。
嬉しかったこと、悲しかったこと、つらかったことを言語化することで、ストレス発散にもなるし、自分の感情を受け止めることができます。僕もいつも小さなメモを持ち歩いて、感じることを書きつけるようにしています。言葉でアウトプットをしてみてください。
草花木果:やってみます! 松浦さん、次は美しいって何か。どうすれば人として美しくいられるか、をお話しできますか?
…まだまだおしゃべりは続きますが、今日はこのあたりで。次回は「美しさとは何か」という話題で盛り上がった松浦さんとのおしゃべりをご紹介させていただきます。ぜひ、お楽しみに。