免疫力を上げたい今こそ知りたい、 食養生というアプローチ。

2020.07.28 更新

    長く続いたコロナ禍の自粛生活を過ごした後、運動不足で体重増加に悩む人もいれば、逆に規則的な生活となって体調が整った方などもいるよう。外食の機会が減った今は、改めて日々の食事を考え直すのにいい機会かもしれません。
    そこで、今回は「食養生」をテーマに活動をする塚本紗代子さんと、オンラインでおしゃべり。改めて、食べること、を考えてみます。

    人が生きる上で、食べることはとても大事なこと。

    草花木果:初めまして。大変な時期にありがとうございます。唐突ですが、オンライン越しに拝見しても、塚本さんのお肌、とっても綺麗!やっぱり日々身体にいいものを食べることは美容にもすごく良さそうですね!!

    塚本さん(以降敬称略):ありがとうございます(笑)。「食卓からWell-being」をコンセプトに活動をしている塚本です。今年は大変な年になってしまいましたが、そもそもコロナのことがあってもなくても、人が生きる上で食べることはとても大事なことだと思っています。
    私自身は、高校生の頃に極端なダイエット生活などをしてしまい体調を崩してしまったことで食事の大切さに気付きました。食生活をきちんと改善する方が早く体調が復活することを実体験として経験したんです。

    今はサプリメントなどで栄養素を摂るのに食事にはあまり気を使わないという方も割と多くいらっしゃるようですが、そもそもせっかくのそのサプリの栄養素も、きちんと吸収できる身体が出来ていないと意味がないんです。冒頭に肌を褒めていただきましたが、この肌のもとになっているのもやっぱり食べ物す。吸収した栄養素で血が作られて、その血のおかげで新陳代謝がスムーズ行って、肌が綺麗に生まれ変わっていきます。もしも腸が汚れていたり、消化機能が弱っていたら、せっかく良い化粧品などを使っても、肌はちゃんと吸収できないんです・・。

    病気は自ら起こしているもの。原因は自分の中にある。

    草花木果:なるほど。確かに体調が悪いと、顔色が冴えなかったり肌も調子悪くなりますよね・・

    塚本:東洋医学の視点では、病気は自ら起こしているものと考えます。不調や病気が起きた時、その原因が自分の中にあると考え追求し、それを浄化するためのアプローチをします。 たとえば風邪を引きやすかったり、倦怠感が続いたり、ずっと頭痛があるなどの時は自分自身の免疫力が落ちているわけで、正常なバランスを保てていない。だから、まずは正常化していくために何をすべきか、と考えます。

    草花木果:コロナ禍に、自分の免疫力についてはすごく意識しました。免疫力をあげるためにはどうしたらいいんでしょうか?免疫力がアップする食べ物などもあるんですか?

    塚本:ここでお話ししている「正常に戻す」というのは、「本来に戻す」ということなんです。何が原因で免疫が下がってしまったのかによって、戻し方は違ってきます。

    よくメディアなどで「免疫アップにこの食べ物がいい」と紹介されると、すぐにその食品が売り切れたりしますが、これでは情報に翻弄されているだけで、逆に健康を損なうことにもなりかねません。表面的に飛びつくよりも、何が自分の免疫を下げているのか。そこを掘り下げてみないと。働きすぎた、睡眠不足、エアコンで身体が冷えた・・などなど、その人それぞれに対処しなければならないことがあるのではないでしょうか?
    少し難しい言い方になりますが、バランスを元に戻すというのは、もっと全体的なことなんです。人間は地球の一部なので、夏に夏らしく過ごしていなかったり、冷房を多用して汗がかけなくなっていたり、旬のものを食べていなかったり。こういうこと全てが、身体に歪みを生んでいき、バランスを崩していく。

    草花木果:ハッとしました。いいと言われると飛びつき、悪いと言われるとやめて。どうしても、そんな行動をしてしまいがちです。自然の流れをもっと意識して生活することが、結果的に免疫力アップも含め、健康や美しさもつながるんですね。それでは、自分のバランスがどんな状態かを見極めるためには、何をチェックしているといいのでしょうか?

    日々の「便り」を見逃さずに。今の時期は身体の内側の湿気に要注意です。

    塚本:一番わかりやすいのはトイレです(笑)。毎日、自分がどういうものを出しているか、見てみてください。「便り」と書くくらいなので、身体の中の状態が一番よくわかります。
    たとえば下痢をしていたら、水分がきちんと排出できていないサイン。消化器系もうまく働いていない状況なので、胃腸に負担の少ないお粥を食べたり温かいスープを飲むように心がけたり。利尿作用のある食材を食べたりすると、それだけで変わります。

    草花木果:やってみます!これからやってくる夏の暑さを乗り切るために、アドバイスをいただけますか?

    塚本:毎日自分自身をチェックしながら、それぞれの状態にあったアプローチをするのが大切ですが、東洋医学の視点からいうと暑い時は身体に湿気が溜まりやすいという特徴があります。
    ちゃんと汗をかける生活を送っていればいいのですが、運動不足だったりシャワーだけで入浴をしていなかったりすると、代謝が悪くなり、どんどん湿気が身体に溜まってしまいます。それでむくみが起きたり、結果的に冷えにつながったりもします。体がなんとなくだるく感じたりするのも、この湿気が引き金になることが多いですね。

    こんな時は、一つの方法として発酵食品を積極的に摂り入れるのがいいと思います。腸の働きを良くしてくれたり、弱りがちな消化器系を優しくサポートしたり。いい気を巡らせるためにとってもおすすめです。次回は自炊生活でいろいろにアレンジしやすい酒粕を使ったレシピをご紹介するので、ぜひ試してくださいね。

    塚本紗代子
    今回おしゃべりした方
    塚本紗代子さん

    株式会社tsumugiLAB代表取締役 / 薬膳士
    10代の頃から自然療法に興味を持ち、マクロビオティックや中医薬膳学を学ぶ。料理の師匠「中美恵」のアシスタントを経験後、表参道のカフェの店長として、立ち上げから運営までを担当。
    その後、独立し、暮らしのレシピ研究所"tsumugiLAB"を創業、「食卓からwell-beingを創る」ことをテーマに、料理教室やワークショップを開催している。レシピ提供や商品開発、飲食店や給食のプロデュース、オンラインコミュニティの運営など、幅広く活動。

    個人Instagram : ID tuka34 : https://www.instagram.com/tuka34/?hl=ja

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