やっぱり「かまびす しい」もイイ。
味噌の「噌」から、考察。

2020.12.09 更新

    今年はとにかくあっという間だったね。そんな声があちこちで聞こえてきます。

    密を避けてきた1年も、そろそろ締めくくり。参加しようと思っていた味噌作りワークショップが次々と中止になってしまったので、今日はおもむろに、味噌の「噌」の字を紐解いてみます!

    ワイワイと、活動的に。
    だから生まれる美味しい味。

    辞書によれば、「噌」は「そ」だけでなく、「かまびすしい」とも読むらしいのですが、この字を知ってから早数十年、初めてこの訓読みを知りました。

    その意味は、「やかましい」とか「騒々しい」ということらしいのですが、象形文字まで調べてみると、「口+曾」に分解され、口偏はまさに「口」を示します。 「曾」は、蒸し器から蒸気が発散されている状態を指すらしく、「言葉が積み重なる」ということからこの「やかましい」「騒々しい」という意味にも繋がっているようです。

    なんとなくこのことを調べていて納得したのは「あーだから味噌は、複雑な味がして美味しいのか!」ということ。頭の中には、微生物たちがワイワイしながら、発酵を進めている姿が浮かびます。
    その土地ごとに違う微生物たちがオリジナリティあふれる方言でにぎやかに活動している様子を想像すると、なんともまあ、「噌しい(かまびすしい)」!笑。

    個性を発揮しながらつながって、
    新しいステージへと変化する。

    昨今は多様性という言葉をよく目にしますが、まさに、味噌の「噌」にこそ新しい時代に向かうコツが隠されているのかもしれません。 それぞれが、自分の個性をしっかりと自由に示しながら、それらがある瞬間に上手に交わり、良反応し、ふとそれまでなかったもの(味)が立ち上がる。

    さらに、味噌作りに失敗した経験(たくさんあります!)から考えてみれば、たとえば材料になる大豆をきちんと丁寧に洗えていなかったり、十分な水を事前に吸わせていなかったことなども失敗原因となりますが、そこからは、人も「教育」という下準備で、単なる知識だけでなくて、素養を身につける必要があるなーという気づきにつながります。

    大豆に麹や塩を加える際も、バラバラと入れるのでなく事前にしっかりと麹と塩を混ぜ合わせた上でしっかりと均一に混ぜていくのですが、これも、小学校、中学校、そして社会と、徐々に丁寧に、あるべき形で人との接点を広げていく様子につながっているような気がしてきたり。

    味噌作りの1つ1つのステップが、なんだか生き方を象徴してくれているような、そんな壮大な景色を妄想しました。
    それぞれが自分の個性を育み、発揮し、つながっていくことで新しい美味しさが生まれていく・・・。
    さてさて、今日私がいる場所は美味しい味噌のように発酵できているでしょうか??

    発酵食品たちから学びながら
    2021年へ向けての仕込みを。

    難しいことはさておき、こんなことを考えていたらやっぱり、味噌汁を飲みたいなーという気分に。

    冷凍庫から、作り溜めしている味噌玉を取り出しました。 この味噌玉、味噌に粉出汁や乾燥食材を混ぜて、丸めてラップ保存しているだけなのですが、さっとお湯を入れるだけで味噌汁が飲める自家製インスタント食品。

    冷蔵庫で約1週間、冷凍庫なら約1ヶ月も保存可能で、おすすめです。
    今年は、ステイホームや3密回避など、「噌しい(かまびすしい)」の言葉から想像するような「やかましい」「騒々しい」空間にいることはほぼない1年でしたが、発酵食品たちに学べば、ワイワイと活動的にいることはこの環境下でも決して不可能ではなさそう。

    オンラインを活用してガンガン人と交わって発酵するもよし、別の時代の主人公たちと文学を通じて交わって発酵するもよし。
    何か1つでも2021年が楽しみに思えれば、2020年の仕込みは成功です!
    残り少ない今年を、「噌しく(かまびすしく)」満喫していきましょう。

    (コラム)
    発酵の力が活きている、
    草花木果の2つのマスクジェル

    3種の酵素がそれぞれ働き、古い角質にアプローチ。 使い続けるほどにキメのととのった、なめらか肌へ。

    (左)マスクジェル
    心地よいジェルで、毛穴の目立たないつるつる肌へ。

    (右)マスクジェル エンリッチ
    とろける使い心地で、年齢毛穴の目立たないハリ肌へ。

    今回おしゃべりした方
    nouserさん