自分軸で、美しく。
前田有紀さんとのおしゃべり第2弾。

2018.11.29 更新

    たった1輪のお花を贈られた喜びがきっかけで、人気アナウンサー業を離れ、フラワーアーティストへと人生の舵をきった前田さん。見た目はもちろんですが、彼女とおしゃべりをしていると、内面の健康的な美しさに魅了されます。その美しさは、どこから?

    10年間のアナウンサー業から大胆にライフシフトした前田さん。幼い頃から思い立ったらすぐに行動しないと気が済まない性格だったそうですが、彼女の行動力には驚かされます。「お花を買ってもらおうと頑張ってもなかなか人々に想いが届かないなら、私がお花を持って外にどんどん出ていけばいいんだ!」と思いつき、フットワーク軽く進む行動力は、もって生まれたものなのかもしれません。

    お花や緑があることで、人が、街が変わっていく。

    前田さん(以降、敬称略):私は、都会の中でもお花や緑がもっとたくさん身近になることで、自分がお婆ちゃんになる時代には、東京の街並みが花と緑に溢れていて、すぐそこに自然があるような風景が見たいと思っています。例えば川で当たり前に蛍が見えるような、そんな街づくりを実現したいです。お花や緑があることで、人が変わっていく様子、街が変わっていく様子をみたい。そう考えるとやりたいことがたくさんあって、いつも急いでいます(笑)。

    草花木果:自分から率先して動き出す感じですか?

    前田:そうですね。最近は、お花屋さんになかなか皆さんがいらしてくださらないなら自分から出て行こう!と、他業種の方とのコラボなども積極的に企画しています。これも自分からお声がけするケースが多いですね。洋服屋さんの軒先をお借りしたり、ジェラート屋さんに出店したり。そうしたら、男性の方がスッと自宅用のお花を買ってくださったりもしました。 そうやって他の世界とどんどん掛け合わせていくことで、いつもはお花に縁がなかった方や、興味がない方の目にも触れることができる。そういう活動から、逆に私たち自身が教えていただくことも多いですね。

    やらないという選択肢も持っています。

    草花木果:そういった活動も精力的にしていらっしゃると、今もアナウンサー時代のように忙しい?

    前田:確かに忙しいです。でも、自分がやりたいと思って心が動くかどうか、という基準でやるべきことをいつも見極めてはいるんです。だから、やらないという選択肢も持っているようにしています。ただ仕事ばかりをしているわけではなくて、仕事も暮らしも家族も大事、その中でバランスをとれるように、自分の軸でいつも考えるようにしているんです。

    草花木果:なるほど。そう考えるようになって、何か変化はありましたか?

    社会軸ではなく自分軸で生きていきたい。

    前田:はい。私も以前は仕事柄もあってどう見られているかをとても意識していましたが、今は「どう見られたい」から「どうありたい」に変わったように思います。キレイや美しさの価値観も自分自身に戻ってきたような感じです。なので、私は判断の基準が社会軸にあるのではなく、自分軸で生きていくことを大切にしたい。 実は家族で都会から鎌倉に引っ越した時も「仕事は大丈夫?」「遠くて大変では?」という声もたくさんありました。私たちもすぐには決断できないので、短期賃貸で家を借りて数週間家族で試しに暮らしてみたりもしました。やらない言い訳を考えたらきりがないんですが、私たち家族にとっては大変なことよりも良いと思ったことが多かったので引っ越しを決めました。 まだまだ私もこの世界では駆け出し。職人として勉強することばかりです。私も含め皆さんが、それぞれの自分らしさを発揮できるような人生を送っていけたら、とっても幸せだと思います。自分軸で、自分らしく生きることは、美しさにもつながるのではないでしょうか。

    自然の息遣いを活かす、前田さんの作品アルバム。

    前田さんは、自然の風景を想像できるような組み合わせや束ね方、作り方をいつも作品づくりの際に心がけていらっしゃるそうです。作品写真をいくつかご紹介させていただきます。

    前田 有紀
    今回おしゃべりした方
    前田 有紀さん

    フラワーアーティスト、“gui –flower and life-”ブランドプロデューサー。
    テレビ局でのアナウンサー勤務を経て、イギリス留学。3年間の花屋勤務を経て独立。1歳11カ月のお子さんを含むご家族で自然豊かな鎌倉で暮らす。2018年11月30日から12月5日まで、東京・表参道ヒルズ同潤会アパート内のギャラリーROCKETにも出展予定。