気持ちを伝えるお手伝い。
ギフトコンシェルジュという仕事。

2020.09.03 更新

    新しい時代は、働き方だけでなく、付き合い方などさまざまに変化をもたらしています。
    そんな中、日本で初めての「ギフトコンシェルジュ」サービス開始の準備を進めるのが、西村嘉津絵さん。欧米など海外を中心に多様なコンシェルジュビジネスが台頭する中、ギフトに焦点を当てた展開を計画されています。今回は、「気持ちを伝えるギフト」をテーマにおしゃべりします。

    プレゼントではなく、ギフトとして。価値あるものを贈りたい。

    草花木果:ギフトコンシェルジュというサービスを始めて耳にしました。

    西村嘉津絵さん(以降敬称略):日本でも、通販サイトなどで商品をおすすめするサービスをギフトコンシェルジュと呼んでいるケースはあるようですが、私の場合は、モノを提案するだけなく、たとえば希少な品物を実際に用意したり、用途に合わせてオリジナルラッピングを考えたり、発送するところまでのすべてを請け負う予定です。
    すでに欧米ではこのギフトコンシェルジュのサービスが始まっているのですが、たとえば有名アーティストのプライベートコンサートを手配したり、特別な旅をプランニングするなど、とてもラグジュアリーな贈り物を提供するような会社もあるようです。

    今、準備しているサービスは「THE GIFT BAR」と名付けました。「プレゼント」ではなくて「ギフト」としたことにこだわりがあるんです。プレゼント、というとモノに限定されているような少しカジュアルな印象がありますが、ギフトには、価値ある贈り物、という広い意味があります。よく、素晴らしい才能を「神様からのギフト」などとも言いますよね。私は、「プレゼント」ではなく「ギフト」を提供していきたいと思っています。

    草花木果:日本にもお中元やお歳暮などの習慣がありますが、若い世代などを中心に、この習慣を行う人が減っているようにも思います。贈り物の実態は、日本でも変化してきているんですか?

    西村:そうですね。儀礼的なギフトというのは減ってきているようです。特にこのコロナ禍で、そういった習慣を見直した方も多いようですね。でもその一方で、家族や友人など親しい人に対しての感謝や愛情を表現するようなギフトは注目が高まっているというデータもあるんです。

    ギフトは、お互いが繋がっているという小さなジェスチャー。

    草花木果:そうなんですね!スモールギフトが注目されているということでしょうか?

    西村:はい。ソーシャルディスタンスの徹底を要求される生活の中で、誰もが多かれ少なかれ、「孤独」を感じたことが影響しているんではないかと思っています。お互いが繋がっている、という小さなジェスチャーがより意味のあるものになったのではないでしょうか?
    ギフトコンシェルジュのサービスでは、契約させていただいた方と長く付き合っていけたらいいな、と思っています。もちろん、1回限りのギフトの機会もたくさんあると思いますが、定期的にやってくる記念日などにギフトの視点からずっと寄り添えたら、そんな素敵で嬉しいことはない。お贈りした相手がどんなものを喜ぶのかということへの理解もどんどん深まっていきますし、ギフトもよりよく育っていくはず。ギフトを通じて、信頼関係を築いていけたらいいな、と思っています。
    私が大好きな「P.S I LOVE YOU」という映画があります。これは、病気を患った男性が生前に手配したギフトが、死後、最愛の妻に手紙と一緒に届き始めるというストーリーですが、何度見ても泣けてしまいます。将来的には、本当に信頼関係を築いたお客さまが亡くなった後、その方の大切な方へのケアまでをお任せいただけるようなサービスになればいいな、と夢見ています。

    草花木果:西村さんのお気持ちは、私たちが化粧品をお届けする時に思うことと少し近いことがあります。
    一人ひとりの方と、直接対話をさせていただくのはなかなか難しいのですが、私たちの作る化粧品を使って下さる方に、いつも安心していただける品質で、心地よく美しくなっていくサポートを続けられる商品をきちんと届けること。それとともに、大事な顧客の皆さんが化粧品に求めていらっしゃることを、どんな小さなサインでもきちんと捉えて、出来る限りのお答えをしていくこと。この何度ものやりとりの繰り返しがあって、私たちのブランドを応援してくださるお客さまとの関係性が深まっていくと思っています。

    相手の笑顔を想像すること。ギフトは、おもてなし。

    西村:素敵ですね。私にも今回、草花木果さんの「ゆずの恵み 美容オイル」「多機能ジェルクリーム」をお贈りいただきました。ありがとうございます。2品とも、私の「レスキューコスメ」としてスタメン入りする心地よさでした。植物由来の成分を使われていて、簡単にケアができて、パッケージもかわいい。このご縁から、また関係性が深くなれば嬉しいと思います。

    草花木果:ありがとうございます!西村さんのお話を伺っていて、私もギフトを送りたい人が何人か頭に浮かびます。コロナ禍で、自分にとって大切な人やことがクリアに見えてきて、何かの形で想いを現したい。ただ、私の場合は実はギフトを選ぶのが苦手で・・・。何か、いいギフトのコツはありますか?

    西村:とっても単純なアドバイスですが、「相手の笑顔を想像してセレクトすること」。これに尽きると思います。相手を想ってセレクトすれば、その気持ちはかならず伝わります。もちろん、少し前から予約したり、わざわざ限られた店舗に買いに出かけて用意するなどの「プラスひと手間」も喜ばれやすいですが、何はともあれ、相手の笑顔を考えること。
    当たり前のようですが、ギフトはおもてなしです。細部まで、自分の気持ちを込めて贈ってみてください。その準備をしている時間までが、とても豊かに、愛おしく思えてくると思います。

    草花木果:ありがとうございます。次回は、ギフト上手になるためのコツを具体的にお聞きします!

    西村 嘉津絵
    今回おしゃべりした方
    西村 嘉津絵さん

    ギフトコンシェルジュ。高校時代の留学を経て、約10年間をアメリカで過ごす。投資会社や広告会社での勤務経験を生かし、新たにギフトコンシェルジュサービスを兼ね揃えたこれまでにない小売事業の展開に向け準備中。
    https://www.instagram.com/thegiftbar2020/?hl=ja