1923年9月1日に発生した関東大震災にちなみ、9月1日は「防災の日」、そして8月30日から1週間は「防災週間」として、各地でさまざまな行事が行われています。 昔から言われますが「備えあれば憂いなし」。防災グッズを改めてチェックすることはもちろん、さまざまな「備え」について考えるベストタイミングです。さあ、防災についておしゃべりしましょう。
地震、グラッときたら身の安全。え?火の始末ではないの?
幼いころに習った防災時のスローガン。その内容が時代に合わせて変化していることをご存じですか? たとえば地震時の行動。「グラッときたら火の始末」と覚えている方も多いと思いますが、今では「グラッときたら身の安全」に変わっています。最近のテクノロジーの進化で、ガスコンロなどは自動的に止まるようになったこと、そして大きな揺れの中で無理して火を消そうとする大やけどなどのリスクの方がかえって大きくて危険ということなどがその変化の理由。むしろコンロなどから離れ身の安全をまず確保し、地震直後、揺れがおさまってから慌てずに落ち着いて火の始末や消火を、と東京消防庁は発信しています。
それ以外にも、「今昔・防災常識の変化」をいくつか見てみましょう。
今昔・防災常識の変化
昔:地震が起きたらすぐ屋外へ。 今:屋外は瓦や看板、窓ガラスの落下など危険も多いので、慌てて飛び出さずに
昔:安全なのはトイレ 今:安全なのは玄関 建築方式が変わり、トイレに柱が使われていないケースも多く歪みなどで閉じ込められる危険性あり。 玄関に逃げつつ、出口を確保するためにドアを開けよう。
昔:避難所などから帰宅したらすぐに片付ける。 今:避難所などから帰宅したらすぐに写真を撮る。 「罹災証明書」などに被害状況を示す写真を貼付すると認定はスムーズに。
このほかにも、さまざまに情報は更新されています。 東京消防庁のホームページなどで、一度確認してみましょう。
秋のお散歩は、防災コース巡りで楽しんで。
そして、せっかくの行楽シーズンならではのおすすめはこちら。 コロナの影響などでなかなか遠方には出かけづらいこの時期は、日々のお散歩を防災コース巡りに変えた「防災散歩」を。楽しいし役に立つし、一石二鳥です! たとえば避難所まで歩いてみたり、ハザードマップ(各自治体のホームページで公開されています)を片手に、家の周辺の危険な場所を改めて確かめたり。いざという時は誰もがパニックになりがちで、急に対応ができません。日頃のお散歩から防災をカラダに覚えさせておくことも、とってもいい備えです。
防災散歩のポイント
〇自宅から避難所まで、非常時持ち出し袋を持って歩いてみよう。 道路の冠水や家屋倒壊などで道路が通れなくなるケースもあり、いくつかのルートで歩き、それぞれどのくらい時間がかかるかなども知っておこう。
〇避難所まで行けない場合の、次なる避難場所(公民館や寺院など。一時的に開放される場合あり)も知っておこう。
〇避難所や避難場所へのルートにある、崖やマンホールの位置を確認しておこう。 マンホールは大雨などで道路が冠水してしまうと、蓋が開いていることに気づかずに転落してしまうことがあります。
チャレンジしてみる、防災グッズづくり。
そして、非常時に防災グッズとともに役に立つのが「防災の知恵」。日頃はインターネットなどでいつでも何でも検索できますが、非常時は電気もストップし充電もすぐにできないので、PCやスマホは貴重な連絡手段として使うことを優先したいもの。
今回は、「身近なもので灯りをとる方法」をご紹介しますが、他にも生活グッズの活かし方はインターネットや書籍などに情報がたくさん載っています。一度実際に試してみて、しっかり知恵として蓄えましょう。
身近なものから、灯りをとろう
〇懐中電灯の光を拡散させて明るく。
懐中電灯の上に水の入ったペットボトルをのせると、光が乱反射して灯りが拡がります。 懐中電灯に白っぽい半透明の袋をかぶせるのも効果的。
〇缶詰ランプ
缶詰に小さな穴を開けて綿の紐を芯として差し込むと簡易的なランプが完成。 2時間前後、灯りとして使った後は、開缶して中身を食べましょう。 紐がない時は、コーヒーフィルターなどをこよりにして作ることもできます。
〇サラダ油ランプ
耐熱ガラスコップにサラダ油を入れて、キッチンペーパーをこよって作った紐をアルミホイルをフックにして固定。 1時間ほど使用しても油の量はほとんど減らず、火は何度もつけられる。オリーブオイルなどでも、もちろん応用可。
防災は、頭で理解することもとても大事ですが、実際に行動できるかどうかが大切。 暑さも少し和らいできたこの時期、お散歩やちょっとした工作の気分で防災を体感しておくといいのでは?
参照:東京消防庁ホームページ
肌の備えは、保湿意識が決め手。
夏の疲れがどっと出やすいこの季節は、肌不調も出やすい時期です。トラブルを事前に防ぐために、特に保湿を意識しましょう。 「冷たくない」ぬるま湯(32度前後)ですすぐなど、乾かさない洗い方をきちんと実践したり、普段から使っている化粧水をいつもよりたっぷりつけ、しっかりと手の平で頬をおおって浸透させたり。そんな基本的なケアを少し充実させることが、肌の備えにはとても効果的です。