ゆずの収穫をした後は、いよいよ搾汁工場に潜入。山間に突如現れる「JA土佐あき中山柚子搾汁施設」。建物の中では、一体何が行われているのでしょうか?外からはうかがい知ることのできない工場内部を見学して来ました。
そこには、思わず「こんなにたくさん?」と、声に出してしまいそうなほど大量のゆずが中山地区中から集まって来ていました。こちらの工場では1日20トンものゆずを加工しているのだそう。…もはや想像がつかない数字。それが10月中旬から12月上旬まで(搾汁工場は1年のうちにシーズンの1ヶ月半ほどだけの稼働)ほぼ毎日続くというのだから驚愕です。ゆずは、鮮度が落ちてしまうと表面が固くなってしまいます。だから、その日運ばれて来たゆずは、その日のうちに加工するのが鉄則。
頼りになるはやっぱり“人の目”。
いよいよ中に潜入です。と、その前に、屋外に設置されたベルトコンベアのスタート地点で作業している女性スタッフを発見。なんでも、流れてくるゆずをひとつひとつチェックし、激しく傷んでいたり腐ったりしているゆずを排除しているのだとか。常に目を光らせておかなければならなず、想像しただけでも骨が折れる作業です。また、排除されるゆずは数百個に1個という割合。割合が小さければ小さいほどいいのはもちろんなのですが、その“1個”を見落とさずに的確に取り上げる。これぞ匠の技ですよね。
黄色いゆずが、踊る、踊る。
いよいよ爽やかな香りに包まれた工場の中へ。ベルトコンベアに乗って工場内に運ばれたゆずは、綺麗に洗浄されます。ローラーの上でくるくるとダンスをするように転がりながら進んでいく姿は、思わずにんまりと顔がゆるんでしまう愛らしさ。「綺麗になるんだよ〜」と、ゆずに念を飛ばしながらそっと見守ります。まさに、「草花木果とおしゃべり」の企画にふさわしい、束の間の「ゆずとおしゃべり」タイムです。
たくさんの人の手を渡り歩いたゆず。
そして洗浄されたゆずは、専用の機械によって搾汁され、皮と種に分けられます。それぞれ加工されて、草花木果の化粧品の一部になるというわけです。たくさんの人の手を渡り、たくさんの人の想いを乗せて、ゆずのスキンケアアイテムやシャンプーがお客さまのもとへと届けられていることを実感しました。
ゆずに関わるすべての方々が、愛情を持って丁寧に育んでこられたからこそ、私たちの心と身体に溜まった何かをスッと押し出してくれるような、そんなエネルギーに満ちた化粧品が完成するのかもしれません。見た目は小さいけれど、改めてゆずのパワーと無限大の可能性を感じた2日間でした。
レポートは、草花木果・落合が担当しました。